「渡されし 紫式部 寂しき実」 星野立子
雨に濡れ、紫の実が一段と輝き
やはり日本人の心に溶け込む花
思い出の秘話など語りたくなるような
長い秋の夜長には、主役の花
暖かいコーヒー、カズオ イシグロの本と共に・・・
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フジバカマに舞う妖艶なアサギマダラ
小糠(こぬか)雨が降りそそぐ藤袴の花
一匹のあさきまだらが一休み
美しいステンドグラスのような羽を休め
万葉の薄紫の色合いがよく似合う蝶
秋の七草の控えめな花にもそろそろ別れの時でしょうか?
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心を見透かされる、露花・・
秋時雨の静かな雨音,障子の和紙に溶けていく、
釜から聴こえる、松風の音に深まる秋を思う
障子を開ければ、
名残りの萩の葉に宝石のような露が咲き乱れている
「嘘はつけない」
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繊細な糸ススキ、シュウメイ菊の白さは、穢れなき白
名残りは数種類の野花を寄せて・・
「急に寒くなり、今夜から冬布団で暖かくお休みください、・・」
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秋の花便り・・
可愛い、茶色の帽子を被った吾亦紅、
尾花、フジバカマ、嫁菜、黄華コスモス
玄関に配達された、秋だより
リビングのワンちゃんの声も、軽やかに
人も、自然も、動物も、等しく秋の匂いを素直に感じ
「心」が優しくなる、そんな季節にほっこりします
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赤い実の訪れ・・
少し汗ばむほどの秋の朝
見上げる先の高い々紺碧の空
鳶の囀りも歌となり雲間を通り抜け天に
花水木の赤い実、葉陰にびっしり隠れ、
柔らかい陽を一杯抱きながら
我が家にやってきた秋の訪問者
「今年も、ようこそ、」
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赤い月に・・
昔々、インドに食べ物を乞う老人がいたそうな、
猿は山に行き木の実を、狐は川で魚を、老人の為に
しかし、兎は一生懸命探しましたが、何もなく、
「私を食べて下さい」と火の中に自分自身を捧げました、
老人は兎を憐み、月の中に蘇らせたそうな・・インドのお話より
秋の月は神や仏のように崇めたくなります、
神秘的な今宵の月に兎の寂しい祈りを感じます
今は紫式部の紫が美しい季節
急に肌寒くなってきました、暖かいお布団でお休みください、
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時が止まった時計草・・
庭の時計草、この夏一杯楽しませてくれて
もう終わりだろうと、葉や茎を整理しながら、
秋時雨に濡れた葉の陰に、最後の一輪が・・
何か胸騒ぎを感じながら、余りにきれいなので備前の皿に浮かべ
何時間後、親しい人の訃報の報せ・・
真の命の針が止まってしまった・・
この花は、クルスとも呼ばれ、静かに「天」に召される事を祈り
優しい人であった彼女にふるさとの柿を・・
「いままで、ありがとうございました」
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蛙の独り言・・
長月も最後の日、暑い々夏も過ぎ去り
時折の凄い豪雨や雷に、びっくりやら、
腰のぬけそうなミサイルとやらで
美しい地球はどうなってるんでしょう?
僕たちも安心して雨宿りの葉がほしいねえ~
名残りの紫陽花も最後の花芽を
必死に咲き切ろうと、生き抜こうと
蛙の休める居場所を教えてるようで・・
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仄かに光る待ちよい草
連日の雨に濡れた草木には虫たちも一休み
野の花も花を閉ざし根の深いところでひそひそ話
僅かな光の中「待ち宵草」は誰も見ていなくても、
雨の中息を十分に吸い込んで、又吐いて・・
白いベールが静かに天に消えていく
今宵は、月の雫がこぼれるでしょうか?
九月は菊月ともいわれるそうで、
暖かいお茶をどうぞ・・
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美人の代名詞・・秋海棠
秋海棠の花は、中国では、牡丹に並んで美しい花の代名詞
「睡花」とも呼ばれるそうです・
下向きに咲く姿になぜか、憂いのオーラが漂い
下のハートの葉がしっかりと受け止めているようです
しっとりとした秋の夜は、ゆっくり、お茶でも飲みながら
本をテーブルの傍らに・・今まで読んだ本も、却って新鮮かも
「金閣寺」三島由紀夫・・そうだったのかと・
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