子供達の下駄の音が聴こえそうな
人もまばらな野仏庵・・屋根の貝殻は鳥の巣にならないように
天保の時代、豆腐やの順正の創始者 上田かん一郎が
淀の庄屋の屋敷を移築されたそうな
モミジに見守られ集められた数々の野仏に迎えられ
落ち葉を踏む音も聞こえそうな静かな小径
屋敷の中には雨月物語の上田秋成の掛け軸
いかにも今摘んでこられた白菊の花
お屋敷の窓より見える京の町並みも絵になり
タイムスリップの紅葉狩りをこころに刻み
一旦外にふみいれば
詩仙堂界隈の人の波に圧倒され
ほんまに隠れ家でした
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大原便り ・・三 律川
紅葉のトンネルより僧侶の声明が
朝の澄み切った空に消えていく
大原には 呂川と律川と名付けられた川があり
水の音より声明の響きがきこえ
小川の流れまでもこぼれたモミジで染まり
何気なく手も心も合掌の気持ちに・・
(呂は短調で陰性 律は長調で陽性 )
( 呂律が回らないとはここからきてるそうです)
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大原便り・・ニ 宝泉院
お庭には樹齢700年の五葉松、幹の補修に歴代の苦労話が聴こえそう
「大原や無住の寺の五葉松」虚子
慶長五年、徳川の鳥居元忠以下数百名、伏見城中で自刃
その霊を慰める為に床板を天井にして祀り、供養としている
庭には、一枚の生きた絵画を見るような
出されたお茶に心もまったりと秋色に染まり
この空間と時間に感謝していただきます
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大原の秋便り 一
雨後のしっとりとした青磁色の青に覆われた大原の里
ほっこりとする日本の原風景に昔話が聞こえそう
紅葉の美しさは少しずつ、心も染め、人々の声さえも紅く
訪れる人も朝は疎らで足取りもゆるりがいい
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珍しい秋の音に・・巫女鈴
可愛らしいピンクの小さな実が
巫女がもたれる鈴いわゆる神楽鈴に似て
今にもどこかの神社から、聞こえてきそうです
日本人は、このような植物に、本能的に心が昂る
モクレン科のオガタマノキ(招霊木)と言われ、巫女鈴とも聞いたような?
ともすると、踏みつぶされそうな運命が
数人の手に渡り、この一期一会に「感謝」
苔むした塀に坐した一枚の楓も
心に静かな感動を与えてくれる
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知足・・つい、忘れがちに
先日の表装展で、いきなり入り口に
畳二畳ほどのお軸
「知足 」足るを知る、
一字々に人柄が滲めでて、
つい日頃忘れがちな言葉を味わい
練習を含めこの墨の量を磨られるのも
禅の道なのでしょう
心して鑑賞さしていただく
お筆は・・南禅寺 日下清光老師
一服の茶に外の雨模様も忘れ
ほっとします
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野ぶどうと初雁
郷愁漂う野ぶどうの実、楽しい鑑賞の前に
鳥さんの方が目ざといたのか、枝にはいつも数個しか残らない
小さな籠にでも、楽しみましょう
初雁模様の干菓子にも郷愁が・・
宮城県伊豆沼に冬鳥としてシベリアと日本を越冬し
冬枯れの田園風景に、今年も溶け込んでいるのでしょう、
雁の玉章(かりのたまずさ)を思わせ、一度みたいものです
(前漢の蘇武が手紙を雁の足に結ぶつけて放ったという故事より)
(雁は手紙を運ぶ人 雁使とも・・ )
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秋は足元に・・
ご近所さんの秋模様に思わず
「きれいですね」前を掃かれているご婦人に
「皆 そう言ってくれはりますねん」
曇り空に木霊する鳥の声も秋を詠い
法然院のお庭も秋模様の銀杏の葉
朝いちばんのお参りは外国の方
今や、日本人が外国人のよう感じる京の町
この平和が続きますように・・
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柿一枝に秋隣り、・・
山裾野への散策、秋は益々隣に
ジューンベリーの照葉 美しく輝き
柿一枝、謙虚に歓び
澄み切った空気を思いっきり
穏やかな秋日和は、誰もに平等に感じられる
「戦争のない日本に心から・・」
今日のクリントン大統領に期待したい
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可愛い琉球雀瓜・・
濃い緑に白い筋の装い 琉球雀瓜
りゅうきゅうおもちゃうりという名も
秋風に歓び、風鈴のように揺れ夏を懐かしみ
手のひらのような葉に守られ
思わず洩れる
「おもちゃのように可愛らしい、」
やがて色ずく姿が楽しみ
楽しみはずーと先がいい
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