「冬櫻 空の碧さと かかはらず」 馬場移公子
華やかな紅葉の移ろい後
ぽとぽつと咲いてる冬櫻に遭遇
冷たい水に清められたような
思いがけない友人に出会ったような花・・
冬櫻は三分の一冬に咲き三分の二は春に
楽しみはずーと先がいい・・
友人の誕生日のランチにあやかりて
一皿々の美味に歓び・・歳を重ねる喜びに感謝し
最後のテイータイムは日本人らしく
「ごちそうさまでした」
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木守りの柿 愛おしく・・
いまだ名残り葉が映える冬木立に
最後の小さな柿が落ちそうに揺れている
自分の使命を揺ぎ無く
信楽の蓑虫の花入れに守られ
なんとも愛おしい小さな柿
秋更くると葉にも思いを馳せ
再び会える奇跡に祈りて・・・・明日必ずやってくるとは限らない
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小さな秋の忘れ物・・
どにでもぶら下がっている早乙女草の小さな茶色の実
満天星つつじの葉も笑いながら、「おはようさん」
小さな秋の思い出をガラス瓶に入れトイレの片隅に
山帽子の葉もそれぞれの紅を誇り
シニアの心 もう少し紅色に染めし ・・
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隠れ家の紅葉便り・・
京の北東の山笑うそのもの・・関西セミナーハウスのお庭
見上げる黄色、紅のコントラストはまるで琳派・・
1898年に東山の豊国神社に造られた能舞台が堂々と
行きかう人も疎らで落ち葉を踏む音も心地よい
冬空には自然の素晴らしい虹のれん
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法然院の紅葉時雨・・
まだ薄暗い中、茅葺門の額縁に
着物の裾模様のような控えめな紅葉
爽やかなお参りを終えての参道は陽が少しずつ訪れ
つかの間江葉時雨(もみじしぐれ)がガラスのように美しく
又、ひとつ思い出の景色が心の宝物になり・・
ほんまに、寒くなって、きました、湯たんぽなどしてお休みくださいね
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宮本武蔵の悟り・・・
宮本武蔵が吉岡一門と決闘に行く前に立ち寄った、八大神社
「勝たせ給へ けふこそは武蔵が一生の大事」
祈ろうとしたが 、彼の本質が鈴を振らず、祈らず、そのまま、下がり松決闘の地に
「我れ 神仏を尊んで神仏を恃まず(たのまず)」
生と死の狭間の極限の悟り・・・
その息ブキが僅かながら感じられる (決闘以前から明治時代まで生きた大木の一部)
見上げれば紅葉の狭間に虹が現れ 心の中にも浸透したような思いに
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炉開き椿にあやかりて
火事の多かった江戸時代には
猪の日に炬燵を開けると火難をのがれるといわれ
この日に炉を開け、お善哉や、亥の子餅でいわいます。
雪椿と茶の自然交配の小ぶりの「炉開き」の花
友人がお庭で育てられた一輪を抱え
ピンクの花弁が蝋のようです
白玉椿と並び、程よい染のイロハモミジと
今日の客人も惚れ惚れとじーと眺めてくださいました
嬉しい限りです、花のもてなしは心が癒されます
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京の隠れ家・・野仏庵
子供達の下駄の音が聴こえそうな
人もまばらな野仏庵・・屋根の貝殻は鳥の巣にならないように
天保の時代、豆腐やの順正の創始者 上田かん一郎が
淀の庄屋の屋敷を移築されたそうな
モミジに見守られ集められた数々の野仏に迎えられ
落ち葉を踏む音も聞こえそうな静かな小径
屋敷の中には雨月物語の上田秋成の掛け軸
いかにも今摘んでこられた白菊の花
お屋敷の窓より見える京の町並みも絵になり
タイムスリップの紅葉狩りをこころに刻み
一旦外にふみいれば
詩仙堂界隈の人の波に圧倒され
ほんまに隠れ家でした
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大原便り ・・三 律川
紅葉のトンネルより僧侶の声明が
朝の澄み切った空に消えていく
大原には 呂川と律川と名付けられた川があり
水の音より声明の響きがきこえ
小川の流れまでもこぼれたモミジで染まり
何気なく手も心も合掌の気持ちに・・
(呂は短調で陰性 律は長調で陽性 )
( 呂律が回らないとはここからきてるそうです)
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大原便り・・ニ 宝泉院
お庭には樹齢700年の五葉松、幹の補修に歴代の苦労話が聴こえそう
「大原や無住の寺の五葉松」虚子
慶長五年、徳川の鳥居元忠以下数百名、伏見城中で自刃
その霊を慰める為に床板を天井にして祀り、供養としている
庭には、一枚の生きた絵画を見るような
出されたお茶に心もまったりと秋色に染まり
この空間と時間に感謝していただきます
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