小エビ草
楽しそうに、小海老が数匹はねてます。
遠いメキシコから昭和の初めに日本に流れ着き
花(本当は苞)は衣を何枚も重ねあわせたように
初めは爽やかな、萌黄色(もえぎ)
しだいに、柿渋色(かきしぶ)と染まり
最後に白いはなをのぞかせて
この花は古代色で表現するのがしっとりします。
以前、ホテルの 食品表示問題があり、
10センチまでの海老をコエビと決められたそうです。
この花が、少々短いにつけ、長いにつけ 昔からコエビソウでよかったです。
可愛い 鮎 菓子です。
鮎は一年間に一生を終え、色々な場面で私たちを楽しませてくれます。
季語においては、 春は若鮎、夏は鮎、秋は落ち鮎、冬は氷魚と語られ
風景においては 釣り糸を静かに構え、美しい山と川に映る姿は絵になります。
食べ物としても人に命と歓びをあたえ
手仕事の芸術にまで魂が入りこみ
鮎籠の形の花入れです。
これから迎える夏に
少しでも 自然の花が人の心に安らぎと癒しになればと
暑中お見舞い申し上げます。
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ティータイム
夏の深いふかーい海にこんな花束があったら?
空、山、海も梅雨明けを待ちわびて
一斉に夏色に染まりつつ
花や葉も踊り始めています
深海いろのガラスビンが
花たちの思いを寛大に
包みこんでくれました。
葉はフェスッカ、本当に涼やかです。
紫の 小花はチドリそう、花ことば「あなたは幸福を振りまく」
薄紫の花はルリマツリ、ルリは色の意味で、マツリはマツリカ(ジャスミン)に
似てる事からだそうです。
黄色の花は、イトバハルシャギク、葉が糸のようです。
夏らしい、お菓子を友人からいただきました。
青森のおきな屋さんの「紅玉天」です。
寒天の中に透けて見えるのが、アップルグラッセのチップスだそうです。
一口頬張れば、青森のリンゴ畑の香りが漂ってくるようです。
色々な御縁で、日本のお菓子の旅をさせていただき、
りんごもきっと「幸福」を振りまいてくれてるのでしょうね。
ありがとうございます。
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麗しいつゆ空と闇夜に昼顔科の花たちのかたらいを
昼顔科の花その一 小昼顔
雲の合間からのぞく空色のような
しっとり染まった青の
たった一輪の小昼顔の妖精です。
その二 浜昼顔
童女のほほえみを、空に託し
やや丸い葉をシッカリつなぎあって
昼顔科 その三 夜顔(よるがお)
しだいに 夜がせまり
真白い妖艶な夜顔の花が
たった一夜の思いを込め
葉音の囁きを聴きながら
ゆっくりと静かに、しずかにひらく
この夜顔は明治時代に渡来した花なので、源氏物語に登場する「夕顔」とは違います。
夕顔はウリ科で干瓢になる花です。夜顔は空が白けるときは本当に儚い姿になりますので
光源氏には合いそうな気がしますが?
「心あてに それかとぞ見る 白露の 光添えたる 夕顔の花」 紫式部
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つゆ空に花咲かせてくれた紫陽花に惜別の思いを
さまざまな姿で楽しませてくれた紫陽花さんありがとう。
どうぞ、緑の葉の上でお休みください。
野花は心の花となりて、
とわに咲きつづけてくれます。
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祇園祭でクライマックスの長刀鉾(halberd float)の巡行にお口に優しいレンコン粽(sweetened and jellied lotus root paste wrapped in bamboo leaves)
京の町は心が一番”あつい”鉾の巡行の日。
長刀鉾が先頭で稚児が誇らしげに。
この長刀は疫病の悪霊を取り除く力があるそうです。
This halberd is said to have power to exorcise the evil sprits
which cause epidemics.
この長刀鉾の香合にあやかりこの夏を切り抜けたいですね。
粽はひんやり喉に優しく、蓮根羊羹(れんこんようかん)が、包まれています。
なかなかの美味で、三昇堂小倉さんのです。
粽を載せているのは、檜の木による扇です。
祇園祭に活けられる檜扇のお花はここからきたと。
(この扇を教えてくださった方がおっしゃてました。)
祭りの後の静けさを
楚々としたペチュニアから感じます。
(しかし、今年から後祭りがあるそうですが・・・・・・・)
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祇園祭近きて胸さわぎ、鉾のお菓子に姫檜扇(ひめひおうぎ)水仙(Astilbe thunbergii)と と鳥脚升麻(とりあししょうま)
蒸し暑い最中に、京都では一気に祇園祭のムードに染まっていきます。
一足お先に感じさせていただきます。
可愛らしい鉾の和菓子です。鶴屋吉信製height=”240″ width=”320″>
鵜籠の花入れに野趣あふれる、鳥脚升麻(とりあししょうま)に
姫檜扇水仙が祭りの歓びを
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素敵な訪問者たち、オクラ(okra), 西瓜(watermelon) ,メロン(melon),とまと(tomato)と小さな籠の草花との語らい
無彩色の雨がふりつずく朝に
突然の訪問者たち
美しいオクラの姿と、色にうっとり
一人暮らしの我が身に寄り添った
西瓜とメロンのデザートまで
汗水流されての収穫物に、人の優しさまで
たっぷり籠にもられ、
雨の音も嬉しいメロデイーになりそうです
以前 天皇陛下が雑草という植物はないとおっしゃいました。
この草たちも名前があり、長いのは髪草(かもじくさ)といい
小さな紫の花のは松葉海ラン(まつばうんらん)
そして長いこと楽しませてくれた蔓桔梗さん
小さな籠の中で、しばらく休んでくださいね
ブランチに、フレンチトーストにパセリとりんごのジュースでいただこます。
箸置きにも一輪添えて
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台風の無事に安堵して、真っ赤なフサスグリの実と(red currant) 真っ青な実のイシカワミ(Mile-a-minute-Weed)に水菓子にピンクの実とブルーベリーの実も加わってにぎやかに
まるで小さな宝石を散りばめたような
胸の中にしまっておきたいような
赤フサスグリの実
真白いターバンを巻いたトルコ桔梗が
広い水面のガラスの湖に
「大丈夫だよ」っと手を差し出した一艘の小舟
静かな波模様を描きながら
深いふかい藍色の実が待つ村に
こぎい出た初夏の午後
イシカワミは蔓性で小さな棘がありますが
本当に藍色した実が雨にぬれ輝いています。
日本ではまだ砂糖が入ってこない時代、お菓子は木の実や野菜、果物がそれに値するものでした。
それで水菓子と表現され、今でも祝儀袋に”水菓子”と。美しい日本語ですね。
今日は、実の形の 紫蘇のゼリーとブルーベリの実の共演です。
茶葉は中国から世界に広がったものですが、広東省の呼び方であった「チャ」は
シルクロード経由韓国はcha 日本は茶チャ、 sa サ モンゴル、トルコはchay チャイ
ギリシャは tsai チャイと発音され、福建省で呼ばれていた”テ”は海路で西洋諸国にまで伝わりました。
インドはtey テイ、オランダはthee テー イギリスはtea テイー ドイツはteeでテーと発音されたそうです。
今日の茶はドイツのteeです。
何世紀の歴史や経路をへて
このような美味の飲み物になった自然の恵みに
感謝していただきます。
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台風予報にも爽やかにサンキライ(Smila china))の葉と紫陽花(Hydrangea)がアンテイークボトルに
美しい絹糸の額に、さんきらいの一葉と
葉脈だけになった草と。( 樹のようにみえます)
サンキライを漢字で現すと山帰来。別名サルトルイバラ。
枝に少し棘をもちつつも、ユニークなカーブを自慢気に。
油絵具のような葉も、楽しげに手をつないるようで。
花瓶はヨーロッパの古いワインのボトルではないかと思いますが?
今日の雨露のような鈍いひかりを放してます。
この葉を用いた和菓子もあり、
又便秘薬で有名な毒掃丸にも配分されてるそうで
いろいろ御世話になってます。
今日の雨の中にも薄青いあじさいがまだまだ主役です。
装飾花がてまりのようになったので「てまり咲き紫陽花」とか。
”TUBE”に”紫陽花”という歌があるそうですが、
どんなメロデイなのでしょうか?
”せせらぎ”というお店で、鍵善製のおかしとカフェオーレで
友人と雨宿りのテイータイムでした。
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梶(かじ)の葉と天の川 The Milky Way
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今日は七夕(しちせき)の節句です。
今はあちこちに笹飾りがみられ、日本の四季の嬉しい光景ですね。
古来中国の乞功奠(きっこうでん)に、日本古来の棚機津女(たなばたつめ)信仰が混ざり合った行事です。
平安時代はこの梶の葉に詞や歌を書き、江戸時代になって短冊に書いて笹に飾るようになったそうです。
「天の川と渡る船の一に思うことも書きつくるかな」後拾遺集より
「一を朗詠集のしをりかな」蕪村の句より
この梶の葉は、諏訪神社のご神紋であり、和紙の原料でもあります。
金平糖で天の川を描きました。今宵が雨でないように祈りながら、
近所の方にいただきました俵屋製のお煎餅です。
毎年、この時期になりますと神木のカジの葉に尊敬の念を抱き、かかせていただいてます。
本来は葉の裏に書くそうですが、(表の方が書きやすいので、)
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